学ぶ終活

お墓、葬儀、供養のほんとうの意味

それでもお墓を手放すあなたへ 墓じまい完全マニュアル

      2016/07/15

こんにちは。十村井満です。

今日はとっても悲しいお話です。
だって、墓じまいについてなんですもの!

いつの時代、どこの場所でも、誰だって、サルだって別れほど辛いものはありません。

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釈迦も人間の抱える根深い苦しみとして「愛別離苦」を説いてますもの!

それでもお墓を手放さなければならないあなたへ、
今日は、どこよりも丁寧に、心をこめて、墓じまいについて綴ります。

はじめに

ひとことに「墓じまい」といっても、考えなければならないことは多岐に渡ります

〇遺骨の移転先
〇お寺との関係
〇改装届け
〇墓地への工事届け
〇墓石店への見積もり

・・・などなど、これらを順に追っていきましょう。

お墓の中の遺骨はどうしますか?

石塔も大事ですが、なによりも大切なのは、その中に眠る遺骨です。
墓じまいを検討する前に、
まず、お墓の下の遺骨をどうするのかを考えましょう。

新しいお墓に埋葬する?
お寺や霊園の永代供養で合祀する?
樹木葬? 散骨

それぞれの葬法については、今日はここでは問いませんが、
それぞれにどのようなメリットとデメリットがあるのか、しっかり考えておきましょう。

お墓の中の遺骨は、どうなってるの?

さて、カロートの中の遺骨はどのような状況になっているのでしょうか?
気になりますよね?

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ほとんどの場合、次のいずれかです。

1)骨壺のまま置かれている
2)土に還っている、またはその最中だ

これは納骨の時に、

1)壺のまま納めたか
2)壺からお骨を出して納めたか

・・・のいずれかによって異なります。

壺のまま埋蔵されていたのであれば、そのまま取り出して新しく埋葬するところへ持って行きます。
土に還っていれば、土をひと掬いして、袋や壺に入れて持って行き
新しい埋葬先に納めましょう。
その時に白骨が残っているようであれば、それらは必ず拾ってあげましょうね。
ご両親の、ご先祖様の、大切な遺骨です。

お寺への対応 離檀(りだん)

墓じまいで一番大変なのが、お寺との関係でしょうね。
檀家を離れることを離檀(りだん)と言います。
人間関係や男女の関係と同じで、
別れにきれいな別れはありません!
理解のあるお寺もあれば、
面倒くさいことになるお寺もあるようです。

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お墓が寺院の境内にある場合は
そのお墓を片付けることになるわけですから
イコール、お寺との付き合いもおしまいにする、ということになります。

たとえば、
都心に出て長い年月が経ち
田舎にあるお寺になかなか帰ることができないために、
そのお寺のお墓を片付ける
・・・というようなことであれば寺院も理解してくれるでしょう。

でも、
お寺との付き合いがわずらわしい」というような理由だと、
寺院の心証もよくはないですよね。

もちろん、離檀は正当な権利ですが、寺院からすると、

1)お寺の収入源である檀家が1件減少する
2)お寺そのものが否定される

というダブルのダメージを受けるわけですね。

ネット上では、法外な離檀料を請求するところもあれば
石材店が指定で、法外な額を請求されることもあると言われています。
※十村井の知る限り、そんなひどいことするお寺ばかりではありません。

菩提寺‐檀家という長年続いた関係をこちら側から終えようとしているわけですから、
きちんとこちらの想いを伝えたうえで、
まずは相手を尊重することを心がけるのが賢明だと思います。

行政への対応 改葬(かいそう)

遺体や遺骨に付随するだいじな公文書

行政は、石塔を建立する、解体することに関しては何も言いません。
ただ、遺骨の行方に関しては手続きを必要とします。

そもそも、人が亡くなった段階から、
その人を証明するもの、そしてその人の死亡を証明するものとして、公文書が発行されます。

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〇死亡すると死亡診断書(あるいは火葬許可証)が発行されます。
※Aさんが死亡したことを証明する公文書

〇死亡診断書は死亡届を兼ね、これを役所に出すことで埋火葬許可証が発行されます。

〇火葬後、遺骨とともに火葬証明印が押された埋火葬許可証が発行されます。
※Aさんが火葬されたことを証明する公文書

〇墓地に埋葬後、埋火葬許可証は墓地の管理者に預けます。

つまり、
遺体と一緒に死亡診断書が発行され
遺骨と一緒に埋火葬許可証が発行され
埋葬と同時に埋火葬許可証は管理者預かりになる。

ということです。

そして、その埋葬された遺骨を取り出してお引っ越しをするわけですから、
それを許可する改葬許可証が必要になってくるわけです。

たとえば、神戸市のA霊園から横浜市のB霊園に改葬するとしましょう
流れはこのような感じです。

1)横浜のB霊園から「①受入証明書」をもらう
2)神戸のA霊園から「②埋葬証明書」をもらう
3)神戸市役所に「①受入証明書」と「②埋葬証明書」を提出して「③改葬許可証」を発行してもらう
4)神戸のA霊園に「③改葬許可証」を提出して、遺骨を取り出してもらう
5)横浜のB霊園に「③改葬許可証」を提出して、埋葬する

・・・という流れになります。

さらに以下の2点に該当する場合は、手続きはさらにやっかいになります。

やっかいなケース1 現在の墓地が寺院の場合

上の流れを見ると分かると思うのですが
現在の墓地から「埋葬証明書」を発行してもらわなければ、神戸市は改葬許可証を出せないわけです。
現在の墓地が、寺院の場合
さきほどの問題、つまり「離檀」の問題が生じるわけですね。
寺院の合意がなければが改葬ができないわけです。

やっかいなケース2 墓地の承継手続きがまだの場合

墓地は「祭祀財産」です。
これは相続財産と違って、分割相続できません。
お墓や仏壇を分割するなんて、物理的に無理ですもんね。

ですから、法定相続人の中から、祭祀承継者を1人だけ決めることになります。

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墓地の承継の際も、その他の法定相続人の同意が必要となります。
法定相続人全員の署名や捺印、印鑑署名などが必要となることもあります。
親族間でのコミュニケーションが密に取れていればいいのですが、
そうでない場合、これはとてもやっかいな作業になります。

たとえば墓地の名義人であった太郎さんが死亡し、
子どもが3人(一郎、次郎、三郎)いたとします。
その中の一郎さんが勝手に墓地に来て

「墓じまいをするんじゃ!」

と言っても、霊園側は受け付てくれません。
墓地の承継者を一郎さんと認定するには、次郎さんと三郎さんの同意がいるわけですね。

「なんで勝手に墓じまいするんじゃい!」

とあとから次郎さんや三郎さんが抗議して来たら、霊園側は困ってしまいますね。
ですから面倒かもしれませんが、きちんとした手続きを踏むべきでしょう。

石材店への対応

お寺への対応もOK
改葬許可も出た。
こうなれば、あとは話は早いです。

石材店を数社相見積もりしましょう。

ただし、
寺院墓地や民営墓地で、石材店が指定の時は相見積もりできないので、あきらめるしかないです。
その石材店が良心的であることを祈りましょう。

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墓じまいの費用は主に以下に分けられます。

〇解体撤去工事
〇墓石運搬費
〇墓石処分費
〇残土処分費
〇重機回送費
〇土地の整地費

これらをまとめて、1㎡7万円~10万円と言われているみたいですが、
実際には石材店が現場を見た上でないと見積金額は出ないでしょう。
基礎工事がしっかり鉄筋が敷かれてあった。
墓地内に複数の石塔があった。
墓地までの道が険しく重機が入らない分、職人の頭数が必要になる
などによって、金額が増減することは大いにあるでしょう。

今日もここまで読んでいただき、ありがとうございます。

みなさん、解体工事の時は必ず立ち会いましょう。
そして、最後にお線香を立てて、手を合わし、
これまでお世話になったことの感謝をしましょうね。
避けがたい別れは仕方ないですが、
いらないものは捨てればOK、という考えは反対です。
十村井からの、お願いです。

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