学ぶ終活

お墓、葬儀、供養のほんとうの意味

六地蔵 どうして墓地の入り口には必ず6つのお地蔵さんがあるの?

      2016/08/09

こんにちは。十村井満です。

もうすぐお盆です.
お墓参りに行かれるという方も多いことでしょう。

墓地に行くと、必ず入り口に六地蔵があるのをごぞんじですか?
新しく造成されたばかりの霊苑などでは見かけないこともありますが、
この6つの地蔵、一体何の意味があるのでしょうか?

六地蔵

地蔵菩薩ってどんな仏さま?

地蔵菩薩は庶民に大人気の仏さま

地蔵菩薩

仏教界にはさまざまな仏さまがいますが、
お地蔵さまは1,2を争う人気のある仏さまです。

人気の双璧は、観音さんと地蔵さんでしょう。

でも、建立の数は圧倒的に地蔵の方が多いでしょう。
だって、道端にどこにでも置かれてるでしょ? お地蔵さんって。
庶民の生活に密接に関わっていたのが、お地蔵様なのですね。

お地蔵さんにもさまざまありますが、
延命地蔵子安地蔵水子地蔵首なし地蔵味噌なめ地蔵とげぬき地蔵・・・ってこんなものではありません。
民衆の欲望や欲求を叶えてくれる象徴として、その願いは地蔵に託されたわけです。

地蔵

どうしてお地蔵さまは人気なのかって?

どんな仏さまよりも優しくて、慈悲深い。
そういう、弱者にやさしい仏さまなのですね。

六道のどの世界に生まれ変わっても救ってくださるお地蔵さま

仏教では生前の行いで、死後6つの世界に生まれ変わると言われています。
これを六道輪廻(りくどうりんね)といいます。

生まれ変わる世界はこちら!

〇天道
人間よりも苦しみが少なく、天人が住まう穏やかな世界。
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〇人間道
人間の世界。四苦八苦が絶えず、生きるって苦しい!
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〇修羅道
ケンカや争いが絶えない、血で血を洗うおぞましい世界。
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〇畜生道
牛や馬、犬や猫といった動物の世界。「ニャー」とか「キャン」とか「ワン」とか「モー」としか言えない。
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〇餓鬼道
飢えと渇きに苦しむ世界。せっかくの食べ物も手に取ると火の玉に変わるとのこと。
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〇地獄道
灼熱地獄、極寒地獄、賽の河原、阿鼻地獄、叫喚地獄、針池地獄に糞尿地獄…言うに及ばずです。

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…当然悪いことして地獄に落ちるわけですから、
忙しい仏さまたちはそんなやつの救いになんて構ってられないわけですね。
でも、お地蔵さまは、地獄に落ちた衆生のことも救ってくださると仰るのです。

地蔵菩薩本願功徳経』の中で、世尊(ブッダのこと)は地蔵菩薩に、

無令是諸衆生 堕悪趣中一日一夜 何况更落 
五無間及阿鼻地獄 動経千萬億劫 無有出期
地蔵是南閻浮提衆生 志性無定 習悪者多
縦発善心 須臾即退
若遭悪縁 念念増長 以是之故 吾分是形 百千萬化度 
隋其根性而度脱之

(十村井訳)
「ここにおるほとんどの人間は、毎日毎晩、煩悩に冒されて悪いこといやらしいことばっかしちょる。
ほんで気づくと無間地獄やら阿鼻地獄やらに落とされたまんまで、
気が付くと長ーーーい時間地獄におるままで、じぇんじぇん出てくることができん。
人間っちゅうのは、たまに善い心になってもすぐに忘れるじゃろ。
じゃけえな、地蔵、お前、ちょっとこいつらを頼むわ、な!」

と説いています(かなり訛ってますわ)。

弱者の味方である地蔵菩薩に、庶民は飛びついたわけですね。

墓地には色々な方が葬られています。
いいことばかりしていた人。
悪いことばかりしていた人。
ケンカっ早い人。
人妻ばかりに手を出すスケベ。
人のことだましてばかりいた人。
徒党を組んでは少数派をいじめた人。
などなど、まあ色々な罪があります。

死後、天に生まれ変わる人もいれば、地獄に落ちる人もいる。
そんな様々な人が1つの場に集められて葬られるのが墓地なわけです。
どの道に落ちても救ってくださる仏さまとして、
六地蔵は祀られているわけですね。

道祖神とお地蔵さま

さて、道祖神(どうそしん)ってご存知ですか?

道端に置かれた路傍の神様です。
男女混合の道祖神など、その形はさまざまです。
そして、この道祖神と地蔵は習合されたと言われています。

道祖神

この道祖神。
仏教が伝来する前の古代から信仰されていたようです。
置かれる場所は、集落のはずれや境界、村の中心、四辻など、
異界の者が集まりやすい境界に祀られ、こちらとあちらを区別する役割があったと言えます。
それが、村の守り神の意味を成し、そこから、交通安全子孫繁栄の信仰へと発展していったのでしょう。

そんな道祖神は、仏教伝来後、お地蔵さんと習合していったのです。

現在でも道々に据えられている地蔵の石仏は、この道祖神に源流があると言えます。

墓地の六地蔵=道祖神+地蔵菩薩

ということを考えますと、墓地の入り口の六地蔵には次のことが考えられます。

①墓地に埋葬されたすべて死者たちの救済のため

天に行く人も地獄に落ちる人も、
お地蔵さまは等しく救ってくださるのですから、
そのような死後観から、
あらゆる墓地でお地蔵さまが建てられたのだと思われます。
しかもそれは、六地蔵でなければなりません。

②墓地という異界とこちらの世界を区切るため

墓地は死者の眠る土地です。
これは「穢れ」の観念の働きなどにもよるのですが、
生活圏内ではなく、村はずれに墓地を設けるケースが非常に多いのです。
私たちの住む世界と死者の住む世界を区切る。
その境界にいてくれるのがお地蔵さまなのですね。

六地蔵には何をすればいいの?

ですから、お墓参りに行かれた際に、六地蔵がお祀りされていた場合は、
一つ手を合わせましょう。
お線香を一本ずつ立てても構いませんし、
お花を供えてもよいですし、
なんならお地蔵さまを磨いてあげると嬉々として喜んでくれるでしょう。

でも、そこまで大変なことをしないまでも、

「お地蔵さまはここにいる死者たちの救いを望んでいるんだ」
「お地蔵さまはこの墓地の守り神なのだ」

・・・などと思ってもらえれば、きっとそれでよいです。
前を通る時は、素通りするのではなく、そっと合掌する。

それで充分なのだと思います。

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今日もここまで読んでいただいてありがとうございます。

お盆の季節です。
線香臭い、灼熱の墓地の匂いが、僕は大好きです。

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